「奇跡の一本松の根」展@紀尾井清堂

 

奇跡の一本松の根

 

紀尾井清堂で展示されている「奇跡の一本松の根」展に行ってきました。

 

奇跡の一本松とは、東日本大震災で大津波の被害にあった名勝高田松原で唯一残った松の木です。七万本あったとされる松林の中で、ただひとつ残った木。

奇跡の一本松は修復され、今も陸前高田に立っているそうですが、その根の部分は東京の紀尾井清堂にて約一年間展示されています。展示は2023年3月9日ということで、かなりすべりこみで行ってきました。

 

写真で見る以上に迫力あります


樹齢173年とされ、修復にあたった職人からは"名木"だと称されました。実際に見ると、写真で見た以上に大きくて迫力がありました。木自体は2012年に枯死が確認されたそうですが、縦横無尽に伸びる根っこにたくましい生命力を感じました。あの大津波を乗り越えたと思うと、何とも言えない気持ちになります。

 

震災があった当時は、関東に住んでいた私も帰宅難民になったり、その後も計画停電で真っ暗闇の夜を過ごしたりと"自分ごと"に感じていたように思います。ずっと思い続けることは難しくても、忘れてはいけないものだなと改めて感じました。

復興への希望として奇跡の一本松を残そうとした方々の意思を、根を通して感じました。

時が経ち、自分に出来ることはないかもしれないけど、想いを寄せて考えることはとても重要だなと思います。

 

 

紀尾井清堂

そして今回楽しみにしていたのは、この建物「紀尾井清堂」。2020年に竣工された、ほやほやの建物です。

 

思ったように造ってください、機能はそれに合わせてあとから考えますから、という依頼でした。建築家として、これほど誇りに思えることはありません。(紀尾井清堂パンフレット 建築家・内藤 廣)

 

ふんわりとしたリクエストの中で建築家の内藤さんが建てられたこの建物。天井からは自然光が差し込み、土足厳禁で気のぬくもりを感じる内部。

 

階段が動きそう

今回は一回部分で奇跡の一本松のドキュメンタリー映像が放送されていました。機能は後付のこの建物、今後どのように使われるのか楽しみですね。

 

 

「奇跡の一本松の根」展の次は何をやるんでしょうか。楽しみです!